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★緊急無料肝炎ウイルス検査について < 2008.01.23 >

昨今のフィブリノゲン製剤問題等で肝炎に関する関心の高まりを受け、厚生労働省より各自治体に対し自己負担無料での緊急肝炎ウイルス検査の実施要請がありました。

当クリニックでも緊急肝炎ウイルス検査を実施いたします。

≪対象者≫
札幌市に在住している方でこれまでに肝炎ウイルス検診を受けたことのない方
 ※ 既に検査を受けた方、肝炎の治療をしている方は対象外になることがあります。

≪検査実施期間≫
平成20年2月1日~平成21年3月31日まで

≪検査費用≫
 無 料

≪検査項目≫
B型肝炎ウイルス検査及びC型肝炎ウイルス検査
  ※ どちらか一方のみを検査することも可能です。
  ※ 検査内容は問診・血液検査です。 

≪受診方法≫
健康保険証や運転免許証など、住所・氏名・年齢のわかるものを提示うえ、窓口に申し出てください。


札幌市保険福祉局 札幌市健康衛生情報
緊急無料肝炎ウイルス検査について



C型肝炎は、血液を介してウイルス感染したことにより発症する肝臓の炎症です。

感染経路としては、C型肝炎ウイルスが発見される以前の輸血や血液製剤の使用、あるいは注射針が使い捨てになる以前の注射針の使い回しなどによる感染。また現在問題となるのはピアスや入れ墨、覚せい剤などの回し打ち、あるいは不衛生な状態での鍼治療などです。

国内では肝炎症状のない持続感染者(キャリア)を含め、C型慢性肝炎の患者さんが150~200万人程度いると推測され、そのうち100~150万人はC型肝炎ウイルスに感染していることに気づいていない可能性があります 。

肝臓は障害があっても、なかなか症状として現れてこないという特徴から「沈黙の臓器」と言われ、特にC型肝炎は自覚症状が少ないために感染していても気付かない人が多いといわれています。

C型肝炎ウイルスに感染しているかどうかは、血液検査で簡単に調べることが出来ますので、ぜひ一度、肝機能検査を受けるようにしてください。




肝炎には急性肝炎と慢性肝炎の2種類があります。

急性肝炎は一過性に起きる肝障害で、劇症肝炎という重症型を除けば後遺症もなく治癒する病気です。一方で慢性肝炎は急性肝炎ほど急激な肝障害には至りませんが長期間にわたって少しずつ肝障害が進行する病気です。肝臓の炎症が進行すると肝硬変に移行することもあります。



日本人の肝炎の約80%は肝炎ウイルスが原因といわれるウイルス性肝炎ですが、その他にも肝炎を起こす原因として薬剤、アルコール、アレルギー等があります。



薬剤性肝炎
: 薬剤が原因で肝障害を起こす病気です。
これには薬物の直接作用による肝炎とアレルギーによるものの2種類があり、前者は抗癌剤や解熱鎮痛剤、抗生物質、化学療法剤、抗糖尿病薬、内分泌治療剤、工業薬剤(クロロホルム、リン化合物など)などが原因です。後者は薬物の代謝産物が抗原性を獲得し、それに対してアレルギー反応が起きるものです。

アルコール性肝炎: アルコールの長期間に及ぶ多量摂取が原因で起こる病気です。
アルコール性肝炎で最初に生じるのはアルコール性脂肪肝で、なおも大量飲酒を続けることでやがて20%の人でアルコール性肝炎が起こります。自覚症状は発熱、黄疸、右上腹部痛、肝臓の圧痛、食欲不振、嘔吐、下痢などです。

自己免疫性肝炎 :免疫機構が異常をきたし、肝障害を引き起こす病気です。
自己免疫性肝炎では本来は自分の身を守るべき免疫が肝細胞を攻撃するようになり、肝臓の炎症を起こします。
患者さんの80%以上は女性で、40~50歳台が発症の中心となっているのが特徴です。

ウイルス性肝炎 :肝炎ウイルスが原因で発症します。
肝炎ウイルスはA型、B型、C型、D型、E型、G型、TT型の7種類ですが、日本人に多いウイルス性肝炎はA型、B型、C型の3種類です。


※とくに日本人に多いA型B型C型肝炎については以下をご覧ください。


【A型肝炎とは】
A型肝炎ウイルスによって起こる肝炎で感染力が強く、汚染された飲み水や魚介類を摂取することで経口感染します。海外などで衛生状態の悪い地域を訪れ感染し、帰国後に発症するケースが見うけられます。

【症状は】
A型肝炎ウイルスに感染すると、2~6週間の潜伏期を経て発症し、高熱、全身倦怠感、下痢、嘔吐、食欲低下などの症状が現れます。A型肝炎の場合は発症が急激であることや発熱頻度が高いことが特徴で、このような症状が1~2週間続いた後、黄疸が出現します。
この症状は一過性で慢性肝炎に移行することはなく、劇症肝炎になることもまれです。また、A型肝炎は一度かかると永久免疫ができ、再感染しないことも特徴です。

【治療法は】
A型肝炎は安静にしていれば自然に治りますが、食欲がないときは点滴によって栄養を補います。



【B型肝炎とは】
B型肝炎ウイルスによって起こる肝炎で、経口感染や空気感染することはなくB型肝炎ウイルスに汚染された血液が輸血、母子感染、性交などにより体内に入り込むことで感染します。

【症状は】
B型肝炎には、一過性感染(再感染しない)と持続性感染(慢性化の恐れがある)があります

   一過性感染:B型肝炎ウイルスに感染すると、1~6ヶ月間の潜伏期間を経て急性肝炎を発症します。
症状の程度は様々で、発熱や黄疸などの典型的な肝炎の症状のでる人もいれば、症状の全くでない人も70~80%いるといわれています。健康な成人がB型肝炎ウイルスにはじめて感染した場合のほとんどが一過性感染です。

   持続性感染:免疫機構の未熟な幼少期にB型肝炎ウイルスに感染すると、ウイルスを異物と認識できず肝炎はおこりませんが、ウイルスも体内から排除されずにウイルスを保有した状態(持続感染)となります。

【治療法は】
急性肝炎ではA型肝炎と同様、安静が第一です。食欲がないときは点滴によって栄養を補います。
慢性肝炎では肝硬変へ移行するのを食止め、慢性肝炎の段階で治癒することが重要です。


インターフェロン治療:肝炎の原因となるウィルスを排除する原因療法。
インターフェロンは肝炎ウイルスの遺伝子を破壊して増殖を抑える薬です。インターフェロンは効く人、効かない人があり、治療を開始するための条件が決められています。また、発熱・全身倦怠感など副作用が多いことも知られています。

肝庇護薬治療:肝臓が破壊されるのを防ぎ、肝機能を改善させる治療法。
原因であるB型肝炎ウイルスを直接攻撃するわけではないので、長期間続ける必要があります。(グリチルリチン製剤、ウルソデオキシコール酸、小柴胡湯)

ステロイドリバウンド療法:ステロイドを使用することで一時的に体の免疫機能を低下させ、その後、使用を急に中止することで人本来の免疫力を一気に活性化させ、B型肝炎ウイルスを攻撃する治療法です。



【C型肝炎とは】
C型肝炎ウイルスによって起こる肝炎で、B型肝炎ウイルス同様に血液を介して感染し、最も多い感染経路は輸血によるものです。

C型肝炎は、成人になってから感染すると治りにくく70~80%の人が慢性化しています。また、他の肝炎より症状が軽いのも特徴で、発症しても気が付かずに治癒していたり、検診などで慢性肝炎として見つかることがよくあります。

【症状は】
C型肝炎に感染すると、2~16週の潜伏期間を経て、発熱、頭痛、食欲不振、関節痛など急性肝炎の症状が現れます。しかし、一般に程度が軽く気づかないことが多く70~80%の人が慢性肝炎に移行します。このまま治療をしないと10~30年でその30~40%の人が肝硬変に、さらに肝臓がんへと徐々に進行していきます。

しかし、一般的には慢性肝炎や初期肝硬変では自覚症状が乏しいため、進行した肝硬変となってはじめて全身倦怠感や疲れやすいといった症状があらわれてきます。

【治療法は】
C型急性肝炎も基本的には前述の急性肝炎と同様、安静が基本です。
治療の基本はインターフェロン療法で、C型慢性肝炎と確定したら、まずウイルス量と遺伝子のタイプを調べます。これは、インターフェロン療法が適するかどうかを判断するためで、適さない場合は、肝庇護薬による治療で肝機能の改善を図ることとなります。


インターフェロン治療:肝炎の原因となるウィルスを排除する原因療法。
インターフェロンはC型肝炎ウイルスの遺伝子を破壊して増殖を抑える薬です。この療法により、ウイルスを完全に排除することも可能ですが、ウイルスのタイプや量によってその効果は異なります。

  リパビリン・インターフェロン併用療法
抗ウイルス薬リバビリンとインターフェロンの併用療法は、従来のインターフェロン単独投与では難治であったⅠ型でかつ高ウィルス量の患者さんだけでなく、Ⅱ型の患者さんにも使える新しい抗ウィルス療法として有力な治療法です。

  ペグインターフェロン
ペグインターフェロンは週1回の注射で抗ウイルス効果が長く持続し、入院せずに外来で開始できます。

肝庇護薬治療:肝機能を改善して肝炎の悪化を防ぐ対症療法。
インターフェロンの導入が難しい場合にはこの対症療法を行います。しかし、この治療のみによる肝機能改善だけでは肝臓ガンの発生を抑制するには限界があります。よって長期的に少量のインターフェロンを持続投与する抗ウィルス療法を同時に行い、これによりウィルス量を低下させ肝炎進行を防ぎながら肝臓ガンの発生も抑える治療法もあります。

※ グリチルリチン:漢方生薬の「甘草」の主成分で、抗炎症作用や免疫調節作用があります。


【C型肝炎の診断と治療を始めるまでの流れ

①まずは抗体検査で感染の有無をチェック。

血液検査で血液中にC型肝炎ウイルスに対する抗体があるかないかを調べます。

②今もからだの中にウイルスが存在するかをチェック。
抗体検査の結果が陽性でも、今も体内にウイルスが存在するとは限りません。抗体検査が陽性の方は再度ウイルスが体内に残っているかを調べる検査を受けます。この検査が陽性の場合にはC型肝炎キャリアと判定されます。

③治療の必要性を判断。
C型肝炎ウイルスに感染しても肝炎ではない「無症候性キャリア」の方もいます。
この様な方は定期的に検査を受け、肝炎が起き始めたと判断したときに治療を開始します。


④肝臓の状態を確認。
血液検査では肝臓の炎症程度は判りますが、肝炎の進行状況はわかりません。画像診断や肝生検などの検査を行い、肝硬変の進行程度と肝臓ガンの有無を調べます。

⑤ウイルスのタイプや量を調べる。
C型肝炎治療が必要な状態であれば、今後の治療法を決定する上で重要なウイルスのタイプと量を調べます。

治療法については患者様のウイルスタイプと量、年齢や健康状態などの要素を考慮し進めてまいります。

【C型肝炎ウイルス感染の可能性が高い方とは】

・1992年(平成4年)以前に輸血を受けた方。
・血液透析を長期間にわたり受けている方。
・輸入非加熱血液凝固因子製剤を投与された方。
・フィブリノゲン製剤を投与された方。
・臓器移植を受けた方や大きな手術を受けた方。
・薬物乱用者、入れ墨をしている方。
・ボディピアスを施している方。
・健康診断等で過去に肝機能の異常を指摘され、その後は肝炎検査を実施していない方。


【厚生労働省による検査受診の呼びかけの対象の方】

<フィブリノゲン製剤の投与を受けた可能性のあると思われる方は、一度血液検査を受けて下さい。>※詳しくは以下のホームページをご覧ください。

http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/12/h1209-1/index.html

  

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