北海道の花粉症の特徴
北海道の花粉症は、本州とは大きく異なる特徴があります。本州ではスギ・ヒノキが花粉症の主な原因ですが、北海道ではスギの分布が道南の一部に限られており、スギ花粉症は大きな問題とはなっていません。
北海道で最も多い花粉症の原因はシラカバ(カバノキ科)です。シラカバは北海道全域に広く自生しており、公園や街路樹としても身近に植えられています。札幌市内でも多くのシラカバが見られ、春になると大量の花粉を飛散させます。
北海道の花粉カレンダー
北海道の花粉飛散は3月から始まり、秋口まで続きます。主な花粉の種類と飛散時期は以下の通りです。
春の花粉(木本花粉)
- ハンノキ:3月〜5月。北海道で最も早く飛散が始まる花粉です。シラカバと同じカバノキ科のため、シラカバ花粉症の方はハンノキにも反応することがあります。
- スギ:3月〜5月。道南(函館周辺)では観測されますが、他の地域ではわずかです。
- イチイ:4月〜5月。庭木や生垣として北海道に広く植えられています。
- ハルニレ:4月〜5月。
- ポプラ:4月〜5月。北海道大学のポプラ並木でも知られる樹木です。
- シラカバ:4月中旬〜6月。北海道の花粉症で最も患者数が多い原因花粉です。飛散ピークはゴールデンウィーク前後(道央・道南)〜5月中旬(道北・道東)です。
夏〜秋の花粉
- イネ科:6月〜8月。牧草地帯が広がる北海道ではイネ科花粉症も少なくありません。
- ヨモギ:8月〜9月。秋口の花粉症の主な原因です。
※最新の花粉飛散状況は北海道立衛生研究所の花粉情報ページで確認できます。
シラカバ花粉症の主な症状
シラカバ花粉症の症状は、スギ花粉症と同様に、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみ・涙目などが中心です。
ただし、シラカバ花粉症には口腔アレルギー症候群(OAS)を併発しやすいという大きな特徴があります。
口腔アレルギー症候群(OAS)とは
口腔アレルギー症候群(OAS:Oral Allergy Syndrome)は、近年では花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)とも呼ばれ、花粉症の方が特定の生の果物や野菜を食べた直後に、口の中・唇・のどにかゆみ・腫れ・イガイガ感などの症状が現れるアレルギーです。
シラカバやハンノキなどカバノキ科の花粉に含まれるアレルゲン(Bet v 1)と、特定の果物・野菜に含まれるタンパク質の構造が似ているため、免疫システムが果物を花粉と誤認識して反応を起こします(交差反応)。
シラカバ花粉症の方では、バラ科果物などによるOAS/PFASを合併することが少なくありません。報告によって差はありますが、約4割前後にみられたとする報告もあり、花粉症の中でも特に併発率が高いとされています。
OASを引き起こしやすい食品
- バラ科の果物:リンゴ、モモ、サクランボ、ナシ、ビワ、イチゴ、スモモ
- マメ科:大豆(特に豆乳)、ピーナッツ
- その他:キウイ、セロリ、ニンジン、ヘーゼルナッツ、アーモンド
OASへの対処法
- 症状を引き起こした食品の生での摂取を避けることが基本です。
- 多くの場合、加熱すると原因タンパク質が分解されるため、ジャムやコンポート、焼きリンゴなどは食べられることが多いです。
- 症状が出た食品以外を一律に避ける必要はありません。実際に症状が出たものだけ控えてください。
- まれにアナフィラキシーなど重篤な症状を起こすことがあります。呼吸困難や全身のじんましんが出た場合は、すぐに医療機関を受診してください。
花粉症の予防と初期療法
花粉症の症状を軽減するためには、花粉の本格飛散開始が予測される時期、または症状が出始めた早い段階から治療を始める「初期療法」が有効です。早めに治療を始めることで、症状のピークを抑え、治療期間の短縮にもつながります。
日常生活での花粉対策
- 外出時:マスクやメガネを着用し、花粉の吸入・目への付着を減らす
- 帰宅時:衣類の花粉を払い、手洗い・うがい・洗顔をする
- 服装:ウール素材は花粉が付着しやすいため、表面がツルツルした素材を選ぶ
- 室内:こまめな掃除とカーテンの定期的な洗濯を心がける
- 飛散が多い日の特徴:晴れて暖かい日、風が強い日、雨上がりの翌日は花粉の飛散量が増えます
当院での花粉症診療
当院では、花粉症の症状でお悩みの方の診療を行っております。症状に応じた内服薬の処方のほか、花粉症のアレルギー検査(血液検査)にも対応しています。
くしゃみ・鼻水・目のかゆみなどの症状がある方、果物を食べた時に口の中に違和感がある方は、お気軽にご相談ください。
花粉症以外の内科症状についても、当院の内科で幅広く対応しています。